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1995年1月17日、淡路島北部を震源地として地域に多大な被害をもたらした「阪神・淡路大地震」。地上回線の被災や輻輳による一般公衆網、専用回線網の不通状態により情報伝達手段の消滅やオンライン業務停止といった数々の問題を引き起こし、危機管理やリスク分散に課題を残した。一方、衛星通信システムは各種無線システムと相まって大きな役割を果たし、これを機に企業内通信ネットワーク内で衛星通信を活用することによる信頼性、耐災害性の向上を図ろうとする気運が高まってきている。 |
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| 2002年4月、大規模地震対策特別措置法に基づく東海大地震防災対策強化指定地域が静岡県を中心とする8都県263市町村に拡大された。その中で警戒宣言が発せられた場合の対応措置として、金融機関においてはオンライン稼働を継続するように示唆されており、非常災害時における通信網の確保は指定地域内金融機関にとって急務と考えられる。 |
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<通信の被害状況>
| 1) |
交換機:地震発生時には商用電源の停止とバックアップ電源の損壊により、約28万5,000加入分が被害を受けたが、移動電源車を出動させるなどして復旧。また、衛星車載局やポータブル衛星通信装置を使用して特設公衆電話約2,860台を設置した。 |
| 2) |
加入者系通信ケーブル:約19万3,000回線に被害。 |
| 3) |
専用回線:約3,500回線に障害(高速デジタル回線は約2週間、一般回線は約1ヶ月で回復)。 |
| 4) |
輻輳:災害当日には全国から神戸方面に対し、通常ピーク時の約50倍のコールが集中し、輻輳が発生した。なお、被災に対しては、全国から衛星車載局、衛星可搬局をはじめとする物資や人員を派遣して、応急用の臨時電話の復旧につとめた結果、1月中に概ね電話が復旧した。 |
<衛星通信活用事例>
JSATをはじめとする衛星通信事業者の提供するネットワークサービスには震災による直接的被害はなく、政府災害対策本部の要請により、利用可能な衛星通信機材を順次関西地区へ投入した。
| 1) |
政府系利用事例 : JSATは、音声・データ伝送が可能なポータブルタイプの衛星通信機器を農林水産省と神戸農林水産消費技術センターに設置し、被災地への食料救援管理に関する通信路を設定した。 |
| 2) |
金融事業者利用事例 : 非常用電話回線で被災状況等の情報収集に利用した。またオンライン車輌システム(衛星通信システムによる電話+データ通信)を緊急に備えスタンバイさせた。 |
[以上、「衛星通信と危機管理」(95年6月衛星通信振興協議会)データより] |
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| 阪神・淡路大震災において金融秩序を守り抜いた大手銀行の事例は危機管理のモデルケースとされ、非常時における現金のスムーズな流通や企業等の大口決済システム、手形交換機能の確保がいかに人々に安心感を与え、パニックを未然に防ぐために有効であるかが実証された。また、衛星通信の導入は「災害時の利便性」において(1)地上回線の混雑に影響されない(2)阪神・淡路大震災時もアンテナ軸のずれはほとんど発生しなかった(3)移動ATM車載局などを利用できることから通信バックアップ回線として、またオンラインのバックアップ回線としても極めて有効とされている。[「衛星通信と危機管理」(同協議会)データより] |
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| 衛星通信の耐災害性は、阪神・淡路大震災の実例から非常災害時通信確保の面から着目されていた。JSATが2002年8月より開始した「SAO」は、従来の衛星通信サービスにおける高価等のイメージを払拭する、非常に手頃かつ導入し易いサービスとして注目を集めている。「SAO」とは地上系ネットワークを全く経由しない双方向の衛星通信を、月々安価な定額料金で利用できるサービスで、災害に強く、セキュリティ、信頼性の高いプライベートネットワークを構築する上で非常に有効である。特に銀行などの金融機関においては、勘定系データなど極めて重要度の高い通信が行われており、万が一の地上系災害時にも対応できる万全のバックアップ態勢が求められ、多くの問い合わせをいただいている。地上の災害の影響を全く受けない信頼性の高いバックアップ手段として、今後衛星通信の利用が主流となっていくものと期待される。 |
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小川正人(おがわ まさと)
1964.1.1生
1988京都大学大学院工学研究科修了
1988日本通信衛星(現JSAT)入社 97年放送・映像事業部課長 98年NTTサテライトコミュニケーションズ出向を経て、2000年11月より現職。 |
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